ギターやピアノなどの楽器を思い浮かべてみてください。
なぜあんなに豊かに響くのでしょうか。
そして赤ちゃんも、小さな体で一晩中大きな声で泣き続けられます。
この「響く仕組み」には共通点があり、声のメカニズムを理解する大きなヒントになります。
壊れた楽器やチューニングの狂った楽器では良い演奏はできません。
まずは自分の身体という楽器を整え、育てること。そこからすべてが始まります。
我々が普段当たり前のように話したり歌ったりしている日本語ですが、もともと口の中の空間を大きく保たなくても発声・発音ができる言語です。
そのため私たち日本人は、知らず知らずのうちに空間が狭いまま話す習慣を持っています。
口先だけで話す傾向が強く、アクセントや強弱の幅も他の国の言語に比べると小さいため、呼吸も浅くなります。
それに伴い表情筋や口角をあまり使わないため、声がこもる・滑舌が甘くなる・伝わりにくい話し方になるという問題につながります。
しかし、声は鍛え方しだいで大きく変わります。
歌はもちろん、日常の話し声や話し方も驚くほど伝わりやすくなります。
声のメカニズムを知ることが上達の近道なんです。
ミックスボイス、エッジボイスなどのテクニックは、それらの基礎がしっかり身についてからこそ生きるものです。
特に成長期の子どもや中高生にとって、エッジボイスなど声帯に負担がかかる可能性のある発声はリスクを伴うことがあります。
まずは自分の身体という楽器を整えること。
そこをしっかりと準備してこそ、声は最大限に力を発揮します。
それらを踏まえ
•自然に深く息が入る姿勢と身体の使い方
•横隔膜が正しく働く呼吸法
•口の中の「響く空間」をつくる
•ギターの胴が音を大きく豊かにするように、身体の空間が響きを決めます。そのメカニズムを体感していきます。
•母音・子音の扱い方で声がどう変わるか
など楽器としての身体を整えた状態で発声すると、話し声も歌声も驚くほど変化していきます。